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『君は月夜に光り輝く』感想(ネタバレあり)

『君は月夜に光り輝く』(佐野 徹夜 著 KADOKAWA)。

この作品は第23回電撃小説大賞をとった作品です。
本屋で気になって手に取り、買うことを決めました。
友達に「これ面白いよ!」とすごくオススメされることもありました。
「もう買ったんだけど...(笑)」と思ったのですが、まだ読んでいなかったので読み始めることにしました。

ヒロインのまみずは「発光病」という病気にかかって入院しています。
発光病というのは、月の光を浴びると体が淡く光り、死期が近づくとその光が強くなるという病気です。授業に通えないまみずのために、誰か見舞いに行って色々教えてやれないかということで、教師がクラスに行ったのですが誰も行こうとしない。
と、思いきや香山が手を上げて行くと宣言します。しかし、あとで熱で急に行けなくなったといいだし、主人公の卓也が病院に行くことになるんですね......。わざとだと思いますが。そして、そこからまみずとの関係が始まります。

私がやり残したことを代わりにやってほしいと頼まれた卓也は、まみずの死ぬまでにやりたいことを一つ一つ行っていきます。
メイド喫茶のバイトをしたり、1人でディズニーランドに行ったりなど、ときには「えぇっ!?」と思うようなものもありました。メイド喫茶については、キッチンだったので主人公は助かりましたね(笑) 1人ディズニーランドとかキツイです。読んでて笑っちゃいました。
後半になるにつれてだんだんとわかってきたのですが、この本はまさに「笑って泣ける作品だ!」と感じました。
斬新な文章やセリフもあって、ときには考えさせられたり、なるほどねと納得されられたり、とても楽しめました。

読んでいて映像化できたらいいんじゃないかと思いました。
ストーリーもいいし、月に照らされると光るって、演出として最高じゃないですか。特に、終盤の盛り上がりどころで上手く映像で演出できれば、さらに心に響く作品になりそうです。ということで、アニメ化、あるいは映画化してくれたら嬉しいな、などと思っています。

卓也と香山との関係性も面白いですね。友達であって、友達でない......みたいな。
過去に卓也はいじめられていて、それを助けるためか、香山は学校で飛び降ります。死にはしなかったのですが、重傷になりました。飛び降りたときの香山の笑顔。わかりやすく表には出しませんが、いいやつだと思います。たぶん、いじめをやめさせるためにそういうことをしてくれたのでしょう。

卓也の姉と香山の兄は恋人関係にあったようです。しかし、香山の兄が死に、卓也の姉も後を追うかのように自殺してしまいました。確か......車が行き交う交差点に自ら進んでいったとかだったと思います。
こう考えても複雑な関係ですね。

まみずの話に戻ります。
おそらく、自分も辛い思いをしたくないし、相手にもさせたくないと思っている。だからこそ、まみずは卓也に初めて告白されたとき、断るようなぼかすような言い方をしたのかもしれませんね。
お互いに好きなのに近づけない。これもかなり切ないなと感じました。

そして、とてもいいなと思ったのが、ラストの屋上でのシーンです。
好きな人が死んでも世界は続く、その残酷さに卓也は耐えられなく、屋上から柵を越えて飛び降りようとします。
しかし、そこでまみずが思いをしっかりと伝えます。

あなたのせいで、私はもう、生きたくてしょうがないの



私は、これから先、生きたらどうなるのか、知りたいです。



私のかわりに生きて、教えてください。この世界の隅々まで、たくさんのことを見て聞いて体験してください。そして、あなたの中に生き続ける私に、生きる意味を教え続けてください



これが渡良瀬まみずの最後の願いでした。
ここのシーンは本当に心に響きました。
何て綺麗な文章だろうと思いました。あなたがいたからこそ、こんな辛い世の中でももっと生きたいって思えた。この世界に興味を持てた。そんな気持ちがすごく伝わってきて、グッとくる場面でしたね......。


『君は月夜に光輝く』は笑って泣けるし、感動できるとてもいい作品なので、ぜひ読んでみることをオススメします。

もう一つ、あとがきで気になったところがあったのですが。
どうやら、著者の佐野徹夜さんが小説家になることを応援してくれていた友達が自殺してしまったのがきっかけで、眠れない夜に、よく散歩していたそうです。
まるで作品の中の主人公のようです。ずっと歩き続けて、朝になったあるときに、小説を書こうと思ったみたいですね。
そして佐野さんは、会社をやめて、小説を書き始めたらしいです。

自分も創作の道を歩みたいと思っているので、理不尽で辛いことばかりの世の中だけど、多くの人に勇気や元気を与えたい。そんな気持ちがすごく共感でき、あとがきだけでも感慨深いものがありました。
私がブログを書いている理由も、自分が文章を書くのが好きだからというのもありますが、多くの人に勇気を与えたいというのが大きな理由だったりします。生活に役立てて、幸せになってほしい。
私も小説を書く練習をしているので、この本を読み、心に火をつけられた気分でした。

もし本屋でこの本を見かけたら、ぜひ手にとってみてくださいね。


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Category: ライフスタイル
Published on: Mon,  23 2017 11:29
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